■■■■■■ 読書/その1 ■■■■■■
  『ハネムーン』 吉本ばなな
         中央公論社 (1997)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

何度聴いても、聴くたびになぜか
涙が出てしまう曲があります。
それも、悲しいのではなく、幸せな感じの涙。

例えばブラームスの歌曲「2つの歌」作品91。
曲自体はとてもシンプルでこじんまりとしている
のに、目を閉じて聴くと、限りなく広い空間に
ふんわり包みこまれているような感覚に。
心の中の、はりつめていた氷の部分が、
じんわり、少しずつ解けて流れていきます。
そして穏やかな幸福感が、私を
とてもやさしい気持ちにしてくれるのです。

吉本ばななさんの『ハネムーン』もまた、そうした
穏やかな幸福感を運んできてくれる本です。

まなかと裕志の、一風変わった結婚生活。でも
二人はただ素直に世界を見つめ、ていねいに
毎日を送っている。まなかの家族、裕志の
おじいちゃん、そしてなにより犬のオリーブが
心からいとおしい。
庭に座って眺める景色は決して広くはないけど、
二人の視線は、本当に本質的だといえるものを、
間違わずに探りあて、選んでいっている。

本のタイトルからイメージされる、よくある
「恋愛そのもの」に関する描写は実際には少なく、
生と死、宗教や国際結婚など、語られるのはむしろ
二人を通して見える世界のうつりかわり。

すてきなシーンが全編にちりばめられていて、
どのページを開いても、素直な感動に出会える。
きっと、いつまでも色あせることのない物語です。

あ、今下のページ見て知ったのですが、
ペンネームを「よしもとばなな」さん
(ひらがな)に改められたらしい。

◆よしもとばななさん公式サイト
http://www.yoshimotobanana.com/
■■■■■■ 映画/その1 ■■■■■■
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
Hedwig and the Angry Inch (2001/米)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

最初は、「む?なんじゃ?この変な化粧は??」
と、ヘドウィグのド派手メイクにお口アングリ…。

ですが、それもつかの間。
1曲1曲にこめられた葛藤のエネルギーと
彼(彼女?)の生きざま、そして
言葉にできない切なさに、深く包み込まれ。

観ているうちに、ヘドウィグではなく
裸で魂むき出しの「自分自身」と向かい合っている
感覚に陥りました。私にとってはどう考えても
非日常的な物語なのに、それくらい、生々しい。

曲もよかった。グラムロックを普段聴かない
私にさえも「生々しい」と感じさせるだけの
強いメッセージを、惜しげもなく吐露してた。
やっぱり音楽は、こうでなくっちゃね。

監督・原作・脚本、そしてヘドウィグを演じきる
ジョン・キャメロン・ミッチェルも最高。
この作品に対するただならぬ思い入れが、
画面の端々から滲み出ているのが印象的でした。

私の、映画そのものに対する価値観を
ガラガラと大きく変えてくれた一本。
出会えてよかった。

…な〜んて書くとホメまくりですが、この映画、
アクは相当強いので、腹据えてかかってください。

ちなみに映画館で観たのち
レンタル1泊2日で7回続けて観ました。
その週末の食事と睡眠はぶっとんだ(笑)。

◆シネマスケープ
http://cinema.media.iis.u-tokyo.ac.jp/movie.cgi?mid=9583

◆公式ホームページ
http://www.gaga.ne.jp/hedwig/

※ストーリーは、上記ページをご参照ください。
※映画・音楽・書籍に関するコメントは、
 つきみ一個人の意見にすぎません。従って、
 違う感じ方をされた方に対して責任を
 負うことはできませんので、ご了承ください。
さて、前回の日記から随分と日が経ってはしまいましたが。(どれくらい経ったかはナイショ)

ちょっといろんな意味で、暮らしの再出発をしようと考えているこのごろ。
つれづれつきみ日記も、再出発させてください。

つれづれ、つきみなるままに、
日暮らし、PCに向かひて、
心にうつりゆくよしなしごとを、
そこはかとなく打ちこみつくれば、
「め〜っちゃ」
あやしうこそものぐるほしけれ。

お粗末ながら。
秘密メモには、最近「かなり」気になってることを書いておきます。
まだきちんと申し込んだわけでもないのに、
気分はすっかりフィンランド。。。

海外旅行はこれで2度目。非英語圏は初めて。
少し不安になる。
…フィンランド語の、簡単な言葉さえ覚えていれば、
ま、きっとなんとかなるやろ。
日本人観光客も多いやろうし、困ったときには
きっと誰かが助けてくれる。…多分。

ほんとは1カ月くらい行ってたいところなのだけど、
どうがんばってみても、1週間がぎりぎり。
帰りは機内泊やから、ホテルは6泊だけ。
ちょっぴりなら、贅沢もできそう。

せっかくの旅やから、きちんと目的を決めないと。
あれもこれもと夢ふくらませているだけに、
目的を絞りこむのは簡単ではなさそうだ。
昨日のつづき。
値段を見て、あっさりツアーをやめた。
そりゃあ〜、激安でないかぎり、やっぱり
旅は個人旅行でしょ。

生協で相談してみると、飛行機も宿も
取ってもらえるらしい。めっちゃ簡単。
しかも、別の代理店に頼めば、
現地アクティビティも日本から
あらかじめ申し込めそうな雰囲気。
な〜んや。ツアーパッケージってこうやって
作ってるだけなんや。

軽い気持ちで、何のテーマも準備せずはじめた
この日記やけど、この調子でいくと
ほとんど「旅行準備記」状態になりそうな予感。
でもいいよね。

うひょ。

2001年1月15日 北欧・旅
うひょ。いきなりさぼりそうになった。だめやん。
あわてて筆をとる。



結構その気になってきました。遠くへ行きたい計画。
行き先は…。長年行きたかった、フィンランド。

フィンランドには、最低でも2度行きたいと、
何年も前から思っていた。
1度は夏に、ムーミンに会うために、
そしてもう1度は冬。オーロラを見るために。

オーロラを見たことのある人は私に、
「あんなん、ツアーとか組んで一晩飛行機に乗って
見に行くほどのものじゃない」なんて、言うけど。
そんなはずはない。絶対人生が変わるはず。
少なくとも私にとっては、特別なものであるはずだ。

調べてみたら、ツアーにひとりで参加すると
個人旅行以上に費用がかかることがわかってきた。
これは、ひとりふらりと行くしかないかな〜。
ふむふむ。もうちょっと考えてみよう。
さて、勢いで作ってしまった「つれづれつきみ草」。
続くのかな…。

つれづれ、つきみなるままに、日暮らし、
PCに向かひて、心にうつりゆくよしなしごとを、
そこはかとなく打ちこみつくれば、め〜っちゃ
あやしうこそものぐるほしけれ。

遠くに行きたい。
…いや、現実逃避と言うなかれ。
(それも多分にあるねんけど)
ただいま「遠く」への旅行を計画中。
今日はそのための調べものに時間を費した。
素敵な旅になればよいのだが。

< 7 8 9 10 11 12 13