ラーメンズを応援している皆さんは既にチェック済みの
ようですが、やっぱり記録しておかねばなりません。
ココ
http://eee.eplus.co.jp/s/lens/
※原文ママ、敬称略です。



イープラススペシャルインタビュー
小林賢太郎×大森南朋


ラーメンズ・小林賢太郎が主宰し、コンスタントに活動を続けるユニット、KKプロデュース第4回公演『レンズ』は、過去に上演されたものとはまた違った雰囲気になりそうだ。椎名林檎の短篇キネマ『百色眼鏡』をモチーフにしてまた新たなストーリーを紡ぎ出すという今回の試みに欠かせない存在となるのは、その映像でも小林と共演していた大森南朋。初の時代物、しかもミステリーに挑戦するということで気合い十分の小林と、久々の舞台となる大森両氏に、本番直前の稽古場で手応えを聞いた。

『百色眼鏡』の世界がどんどんふくらんで、今回の作品になりました(小林)

──今回の舞台はどういう雰囲気になりそうですか?
小林 かなりイイ仕上がりです。うちの特徴なんですけど、台本が稽古場でどんどん動くんですね。台本は決定稿があがった段階で設計図ができたに過ぎないので。たとえば建物に例えると、設計図に沿って建築をしていく作業なんですけど、実際に設計図通りにいかないことがやっぱり起こる。それを五人でどうしたら一番おもしろく見えるかっていうのをみんなと一緒に作っていきました。決定稿からはだいぶずれてきましたけど。現段階では気持ちのよい進行状況だと言っていいと思います。

──大森さんは久々の舞台ですが、出演されるまでのいきさつを教えてください。

小林 元々は椎名林檎さんの短篇キネマ『百色眼鏡』で共演させていただいて、その時の設定が大森さん演じる刑事と僕が演じた私立探偵っていう推理物では定番の組み合わせだったんですよね。そこで扱っていた事件が、アメリカの『Xファイル』的なお話だったので、「これはふくらむなぁ」と思って企んでたんです。それで、「舞台でこの設定借りて新しいことをやっちゃったりして」っていう話を、椎名さんはじめ監督の番場(秀一)さんとかにしたら、快く受け入れていただいて。だったらまた駒形警部、私立探偵天城の組み合わせで行こうってことになって。さらに、音楽・椎名林檎、映像・番場秀一と、我がコメディ部隊3人(笑)。すべてのコマはそろったと。だから大森さんは今回の作品になくてはならない存在だったんです。

大森 もう、バリっとやんなきゃって感じです。台本も最初から結構変わりましたけど、最初からすごくおもしろかったですよ。「ああ、さすがだなぁ」って。僕は言われたとおりにやるだけですよ(笑)。賢太郎の演出は言葉でちゃんと説明してくれるので、すごくわかりやすくて納得できるんです。

小林 大森さんは環境適応能力がすごいんですよ。俳優の独特の才能だと思うんですけど、パッと空気を読んで、自分の居場所を見極めるというか。他人と家族のフリをするという世界で一番奇妙な職業ですからね。やっぱりすごいなと思いましたね。

──椎名林檎さんの映像の時の設定ということなのですが、そのキャラクターを残しつつ演じることになるんですか?

小林 そうですね。ママなんですけど、勝手な解釈をさせてもらってます。この人にはこんなところがあったんだっていうのを勝手に僕らが作っている状態なので、怒られない程度にやろうとは思ってるんですけど。だから、最初の本読みに椎名さんが来てくれた時はドキドキしました。

大森 みんなドキドキしてたよね(笑)。

──音楽も楽しみなのですが、どのような感じになりそうですか?

小林 本読みや稽古に来ていただいて、こっちから注文もしましたが、向こうからも具体的に提案してくださって。ポジションとしては『レンズ』の音楽番長です。客入れのBGMから、劇場でかかっている音楽全部をお願いしています。もともとの『百色〜』で使った曲を使っているんですけど、舞台用に新しいMIXをしてもらったり。だから『百色〜』の現場を思い出しましたね。

大森 『百色〜』の現場は、僕は楽しかったですけど、賢太郎は大変だったんじゃないかな。

小林 僕も楽しかったですよ。大森さんと2人のシーンが特に楽しかった。僕はやっぱり男2人でやることに慣れてるんですよね。男女で共演する経験があんまりなかったものですから(笑)。林檎さんや、小雪さんとのシーンは、「あぁ片桐(仁)じゃないなぁ」って思ってたんだけど、大森さんとのシーンはすごく落ち着いた。性別の違いってこんなに違うんだって思いましたよ(笑)。

大森 それは意外と盲点だね。

カーテンコールの喝采は、観ていても「いいな!」と思って引き込まれる(大森)

──大森さんは映像のお仕事が中心ですけど、舞台での演じ方はやっぱり違いますか?

大森 やっぱり明らかに違うところもあるだろうし。そこは手探りですけどね。本番までの稽古中になんとか見つけたいと思います。

──やはり小林さんの台本ですし、笑いを誘うシーンが大森さんにもあるんでしょうか?

小林 大森さん自身には笑いを意識していただかないようにしてるんですよ。お客さんが、大森さんがシリアスにやればやるほど勝手に笑うっていう状況が一番理想だなと。直接的な笑いを取る人たちは他に何人かいるので、それは彼らに任せます。ギャグ担当のギャガーたちがいるので(笑)。

大森 ギャガー(笑)。

小林 軸の太い笑いづくりには大森さんに大きく働いていただければと。

──生でお客さんの反応が加わるとまた違うでしょうね。

大森 そうなんでしょうね。経験してみないとわからないです。僕が舞台上で共演者のみなさんを見て笑わないようにしないと。ものすっごく面白いですからね。「なんかやるんだ、なんかやるんだ」って思うと笑っちゃう。だいぶ慣れてきましたけど。

小林 僕は逆に大森さんを見てると笑っちゃうんですけど、なぜ自分が笑われてるのかわからない顔してる時ありますよね。

大森 あるある。「あれ? ダメ出しかな?」とか思ってた(笑)。

小林 きっと舞台がやめられなくなりますよ。カーテンコールの喝采とかすごいですから。かなりきますよ(笑)。

大森 あれいいなと思うもん。それを観てると引き込まれるしね。いつも賢太郎のお芝居を観に行くとそういう感じになるもんなぁ。僕も一員になれるようがんばります。

──最後に、イープラスの読者にひとことお願いします。

小林 来い!

大森 来たまえ!

(写真/渡辺マコト 取材・文/石本真樹)



いいじゃないですか。
「『百色眼鏡』の世界がどんどんふくらんで、今回の作品になりました」って…。お魚増え歌みたいだな〜(笑)。

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