【音】ベートーヴェン:交響曲第9番
2003年2月21日 音楽■■■■■■ 音楽/その2 ■■■■■■
ベートーヴェン:交響曲第9番
フランツ・ブリュッヘン指揮
18世紀オーケストラ
PHILIPS 438 158-2
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
初めて聴いた演奏というのは、想像以上に
聴く人に強い印象を与えるものだと思う。
私が初めて聴いた第九は、高校生のときに私に
とってとても大切な方が贈ってくれた、この
ブリュッヘン指揮のCDだった。
プレゼントに喜んで何度も聴いたこの演奏は、
その後何度となく耳にする他の第九を判断する
うえでの私の基準になってしまった。
「第九の演奏は、ブリュッヘンがスタンダード」。
無意識のうちに、そう思い込んでしまっていた。
で、もちろん最初は何も知らなかったのだが、
実はこのオーケストラは、華やかな演奏効果を
追究するのではなく、作曲家が生きていた時代の
演奏をありのままに再現することをめざした団体
(厳密にはかなり表現に語弊がありますが…
笑って許してくださ〜い。以下同様)。
今でこそ、「初演当時の演奏を再現する」という
コンセプトが主流となってきているが、
とにかく派手で豪華、大規模な交響曲演奏が
もてはやされていた数十年前から、こうした演奏を
他の団体にさきがけて行っていたという点で、
スタンダードなどとは「完全に」無縁。
かな〜り、特殊な演奏だったのだ!
…し、知らんかった…。
それを知ったはいいものの、
冒頭に書いたとおり、それでも私の中での
判断基準は簡単に変えることができない。
今でも相変わらず、なにを聴いても
「ん〜、ブリュッヘンの演奏と
比べたら、なんだか妙にぎらぎらと悪趣味に
聴こえるんよね〜」
などと言っては、
(そりゃそうやんか、当たり前や…)と、
周囲の失笑をかっている。
教訓。
最初に聴くCDは、心して選ぶべしです。
とは言っても、この演奏、
実際にとても高く評価されているし、
私自身もすごく完成度が高いと思っている。
出会えてよかったと思える演奏です。
実は、大学生のときに
「小さな小さな第九」というコンセプトで
第九を演奏するコンサートに出演させていただく
機会に恵まれた。このときは、おかげで
最初に聴いたブリュヘンに近い演奏を自然と
イメージすることができ、スムーズに音が出せた
ように思う。本当に楽しい演奏会だった。
…個人的な話が続いたので少し話題を変えます。
この交響曲を作曲したとき、
既に耳が聞こえなかったベートーヴェン。
初演の際に指揮を行ったが、演奏終了後
観客の絶大な拍手に気づかず、オーケストラの
方を向きっぱなしだったというのは
有名なエピソードだけど、正直今でも私はこの曲が
耳の聞こえない作曲家により書かれただなんて
本当に信じられない。
それほど緻密に練り上げられた、完成された曲。
交響曲の長さに抵抗がある方は、第4楽章だけでも
いいので、何度かじっくりと聴いてみてください。
第4楽章が親しみやすくなってきたら、他の楽章へ
どうぞ…。年末だけといわず、春でも夏でも。
以下余談です。
ところで、第九といえば、
もうひとつ忘れられない演奏がある。
あまりにも有名な、1951年バイロイトでの
フルトヴェンクラーによるライブ。
こちらの演奏は、ブリュッヘンと対極をなす
豪華絢爛たるもの。大音量で聴いていると、
ホールで一緒に名演に立ち会っているような気分に
させてくれる、ビリビリした緊張感が今なお
伝わってくるすごい演奏だと思う。
これも、聴くたびに新たな感動を与えてくれる
大切なCD。いつかこちらのCDでも
日記を書くかもしれません。実は、
感動に涙した回数はこちらの方が多いので…笑。
私ったら、泣いてばっかりね。
ベートーヴェン:交響曲第9番
フランツ・ブリュッヘン指揮
18世紀オーケストラ
PHILIPS 438 158-2
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
初めて聴いた演奏というのは、想像以上に
聴く人に強い印象を与えるものだと思う。
私が初めて聴いた第九は、高校生のときに私に
とってとても大切な方が贈ってくれた、この
ブリュッヘン指揮のCDだった。
プレゼントに喜んで何度も聴いたこの演奏は、
その後何度となく耳にする他の第九を判断する
うえでの私の基準になってしまった。
「第九の演奏は、ブリュッヘンがスタンダード」。
無意識のうちに、そう思い込んでしまっていた。
で、もちろん最初は何も知らなかったのだが、
実はこのオーケストラは、華やかな演奏効果を
追究するのではなく、作曲家が生きていた時代の
演奏をありのままに再現することをめざした団体
(厳密にはかなり表現に語弊がありますが…
笑って許してくださ〜い。以下同様)。
今でこそ、「初演当時の演奏を再現する」という
コンセプトが主流となってきているが、
とにかく派手で豪華、大規模な交響曲演奏が
もてはやされていた数十年前から、こうした演奏を
他の団体にさきがけて行っていたという点で、
スタンダードなどとは「完全に」無縁。
かな〜り、特殊な演奏だったのだ!
…し、知らんかった…。
それを知ったはいいものの、
冒頭に書いたとおり、それでも私の中での
判断基準は簡単に変えることができない。
今でも相変わらず、なにを聴いても
「ん〜、ブリュッヘンの演奏と
比べたら、なんだか妙にぎらぎらと悪趣味に
聴こえるんよね〜」
などと言っては、
(そりゃそうやんか、当たり前や…)と、
周囲の失笑をかっている。
教訓。
最初に聴くCDは、心して選ぶべしです。
とは言っても、この演奏、
実際にとても高く評価されているし、
私自身もすごく完成度が高いと思っている。
出会えてよかったと思える演奏です。
実は、大学生のときに
「小さな小さな第九」というコンセプトで
第九を演奏するコンサートに出演させていただく
機会に恵まれた。このときは、おかげで
最初に聴いたブリュヘンに近い演奏を自然と
イメージすることができ、スムーズに音が出せた
ように思う。本当に楽しい演奏会だった。
…個人的な話が続いたので少し話題を変えます。
この交響曲を作曲したとき、
既に耳が聞こえなかったベートーヴェン。
初演の際に指揮を行ったが、演奏終了後
観客の絶大な拍手に気づかず、オーケストラの
方を向きっぱなしだったというのは
有名なエピソードだけど、正直今でも私はこの曲が
耳の聞こえない作曲家により書かれただなんて
本当に信じられない。
それほど緻密に練り上げられた、完成された曲。
交響曲の長さに抵抗がある方は、第4楽章だけでも
いいので、何度かじっくりと聴いてみてください。
第4楽章が親しみやすくなってきたら、他の楽章へ
どうぞ…。年末だけといわず、春でも夏でも。
以下余談です。
ところで、第九といえば、
もうひとつ忘れられない演奏がある。
あまりにも有名な、1951年バイロイトでの
フルトヴェンクラーによるライブ。
こちらの演奏は、ブリュッヘンと対極をなす
豪華絢爛たるもの。大音量で聴いていると、
ホールで一緒に名演に立ち会っているような気分に
させてくれる、ビリビリした緊張感が今なお
伝わってくるすごい演奏だと思う。
これも、聴くたびに新たな感動を与えてくれる
大切なCD。いつかこちらのCDでも
日記を書くかもしれません。実は、
感動に涙した回数はこちらの方が多いので…笑。
私ったら、泣いてばっかりね。
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